一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会

2026年 新年のご挨拶

プレスリリース

2026年頭所感

謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

会員企業及び関係各位の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。

 

昨年を振り返りますと、東京証券取引所から2030年3月以降の上場維持基準の見直しが発表され、小規模の株式上場に慎重な姿勢が広がったこともあり、グロース市場へのIPO社数は低調に推移しました。他方で、M&A(合併・買収)やセカンダリー取引の存在感が増し、成長戦略としてのM&Aが存在感を高め、大型のM&Aが相次いだ年ともなりました。またディープテックスタートアップへの関心度も引き続き高く、次のステージへの動きを感じさせる1年でもありました。

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)の会員数の増加基調は2025年も引き続き継続し、年初の393社から年末には407社に至りました。JVCAは現在3委員会9部会2室の体制で活動しておりますが、各部会・室によって企画・実施されたイベント・勉強会数も活発で、年間30回近くを数えました。初級・中堅キャピタリスト研修に加え、CVC研修、また昨年は新たにマネジメント向けダイバーシティ・ハラスメント研修も開催し、業界全体の人材育成と健全な組織運営の推進に注力いたしました。

JVCAの2025年は、「政策の実現」と「調達環境の強化」の1年だったと言えます。

 

「政策の実現」においては、業界団体として長年取り組んできた政策提言の数々が実を結びました。スタートアップの経済波及効果調査では、2024年のスタートアップによるGDP創出額が日本のGDPの約4%に達し、年間成長率は約15%と日本全体のGDP成長率の5倍にもなったことが示され、スタートアップを支援する意義の明確な論拠が示されました。また、投資事業有限責任組合法の改正により海外投資制限が大幅に緩和され、我が国VCファンドのグローバル展開が促進されることとなりました。
さらに、令和8年度税制改正では、「オープンイノベーション促進税制」の延長・拡充により、M&Aに加えてセカンダリー取引も税制優遇の対象に追加されることとなりました。加えて「外国組合員に対する課税の特例(PE課税特例)」の大幅な見直しにより、セーフハーバーの出資上限が25%未満から50%まで引き上げられ、海外投資家からの資金調達環境が大きく改善されました。M&A促進に向けて企業会計基準委員会に対して「のれんの非償却」導入を提言し、2027年度の結論に向けた検討が進められることともなりました。本年は、JVCAとして政府の日本成長戦略会議に参画することも決まっており、我が国のスタートアップの成長戦略への提言活動をより一層積極化して参ります。

 

「調達環境の強化」については、国内外の投資家からスタートアップへの資金供給を促進すべく、2月には金融庁・経済産業省共催のアセットオーナー・VCミートアップを開催し、11月には香港にて海外LPツアーを実施いたしました。これらの取り組みや前述の制度改正により、国内外からスタートアップエコシステムへのリスクマネー供給を拡大する基盤づくりを進めることができた1年であったと言えましょう。

 

JVCAといたしましては、我が国の新産業創出を牽引し、スタートアップエコシステムの健全な発展拡大に貢献していくべく、引き続き邁進して参る所存です。日本から世界で活躍する高みのあるスタートアップを数多く生み出していくため、関係各位の皆様のご支援ご協力をより一層いただきたく考えておるところでございます。
本年も関係各位の益々のご健勝とご発展を心より祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

会長 郷治友孝

会長 田島聡一


 

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