一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会

ご挨拶

日本ベンチャーキャピタル協会(JVCA)は、2002年11月の発足以来、ベンチャーキャピタル業界における相互連携と、イノベーションの源泉となるスタートアップ企業育成の役割とを果たすべく、活動して参りました。

 

私どもが新たに会長に就任させていただいた2023年度、JVCAにおける第22期は、2022年末に策定された政府の「スタートアップ育成5か年計画」に基づく関係各所からのご支援やご期待も受け、「投資マネーの拡大」、「資金循環の促進」「スタートアップエコシステムの拡充」の3つの主要な取り組みを推進してまいりました。

 

その結果、当協会の会員数は1年で336社から376社へ増加し、独立系VC、金融系VC、大学系VC、CVC、その他支援団体を含む、スタートアップエコシステムに関わる幅広いステークホールダ―が参画する業界団体へと発展を遂げて参りました。また、このたび経済産業省と協力して日本のスタートアップの経済波及効果を我が国で初めて調査したところ、創出GDPが19.4兆円、直接的雇用創出が52万人となったところであり、我が国経済におけるスタートアップエコシステムのインパクトがますます大きくなっていくことが期待されるところです。

 

そのような中、第23期新体制では、協会の使命たるベンチャーキャピタル業界のエコシステム強化を通じた新産業創造への寄与を一層進めるべく、第22期に引き続き、以下の目標を掲げたところでございます。

 

<JVCAの目指すところ>
「2027 年までに、上場・非上場含むスタートアップの株式時価総額の合計額を 100 兆円規模とする」

 

現状のスタートアップの時価総額は上場・未上場併せて40兆円後半程度と思われます。非常に大きなチャレンジではありますが、業界一丸となって100兆円を達成していきたいと考えております。

 

そして、第23期の具体的な活動としては、第22期の方針をアップデートし、下記の3つの方針を掲げます。

 

    VCが我が国の新産業創出の牽引者となり、多様で持続可能なスタートアップエコシステムの実現に貢献する
  1. 投資マネーの拡大 国内外の機関投資家から必要とされる情報の提供やデータの整備に取組みつつ、受託者責任を全うし、投資マネーの調達とそのスタートアップへの供給を⼤規模に拡大する
  2. 資金循環とイノベーションの促進 新産業を創出するため、スタートアップの資金調達手段及び投資家のエグジット手段の多様化を図ることで資金循環を促進するとともに、大企業のトランスフォーメーション及びスタートアップのM&Aを支援することを通じて産業のイノベーションを推進する
  3. スタートアップエコシステムの拡充 スタートアップから次世代を代表する企業が持続的に創出されるエコシステムを拡充するべく、多様な意見や価値観を活かしつつグローバル化に対応するための環境を整備し、中長期を見据えた政策に官民⼀体となって関与するとともに、活動の成果を可視化する

ベンチャーキャピタル産業が我が国の新産業創出の牽引者となり、多様で持続可能なスタートアップエコシステムの実現に貢献すべく更なる向上を目指してまいります。

一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会

会長 郷治 友孝 会長 田島 聡一