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Englishご挨拶
日本ベンチャーキャピタル協会（JVCA）は、2002年11月の発足以来、ベンチャーキャピタル業界における相互連携と、イノベーションの源泉となるスタートアップ企業育成の役割とを果たすべく、活動して参りました
私どもが会長に就任した、2023年度から24年度までの第23期には、2022年末に策定された政府の「スタートアップ育成5か年計画」に基づく関係各所からのご支援やご期待を受け、「投資マネーの拡大」、「資金循環の促進」「スタートアップエコシステムの拡充」の３つの主要な取り組みを推進してまいりました。
この間、当協会の会員数は現在までに379社となり、独立系、金融系、大学系VCやCVC、各種支援団体といったスタートアップエコシステムを支える多様なステークホルダ―が参画するとともに、そのようなエコシステムがGDPや雇用などの我が国経済に与えるインパクトについても政府から公表されるようになりました。さらに、2024年10月には世界の30を超える国・地域からVC・PE協会代表が集うGlobal Venture Capital Congress（GVCC）がJVCAのホストにより日本で開催されるまでになり、世界の資金調達環境、地政学リスク、LP動向、アジア市場の展望などを議論したことで、日本のVCやスタートアップエコシステムの国際的認知と連携が大きく前進いたしました。また、大企業のオープンイノベーションに関しても、2025年4月に実施したCVCフォーラムなど、大企業がスタートアップとの連携を推し進める中で培った経験やナレッジをシェアする機会の提供を通じて、スタートアップへの投資だけではなく、スタートアップとの具体的な協業・共創へと歩みを進める機運が大きく高まってまいりました。地方創生に関しても、2024年10月に実施した地方創生トップ懇親会など、地域経済を支え、地域発でのイノベーションを推し進める金融機関・地方自治体・アカデミアなどの方々による経験やナレッジをシェアする機会の提供を通じて、ディープテックを含むスタートアップが持つポテンシャルを解き放つ環境創りに貢献してまいりました。
日本のスタートアップエコシステムを取り巻く環境は、複雑化している地政学リスクや生成AIの指数関数的な進化、東証における上場維持基準の見直しなど複層的な要因によって、まさに大きな変化を遂げようとしています。
そのような中、第24期新体制では、協会の使命たるベンチャーキャピタル業界のエコシステム強化を通じた新産業創造への寄与を一層進めるべく、第23期に引き続き、以下の目標を掲げたところでございます。
＜JVCAの目指すところ＞
「2027 年までに、上場・非上場含むスタートアップの株式時価総額の合計額を 100 兆円規模とする」
現状のスタートアップの時価総額は上場・未上場併せて40兆円後半程度と推測されます。非常に大きなチャレンジではありますが、業界一丸となってこの目標を達成していきたいと考えております。
そして、第24期の具体的な活動としては、第23期の方針をアップデートし、下記の5つの方針を掲げます。
- VCが我が国の新産業創出の牽引者となり、多様で持続可能なスタートアップエコシステムの実現に貢献する
- 投資マネーの拡大
投資マネーの更なる供給の拡大に向けて、ファンドパフォーマンスの可視化と十分な投資成果の創出を通じて、民間（機関投資家/事業会社）、公的部門、海外投資家からの多様な資金循環を加速させる。 - イノベーションと多様性の促進
スタートアップと大企業双方の企業価値の最大化を目指し、両者による共創やM&A等を通じたイノベーションの創出を図るとともに、スタートアップエコシステムにおける多様性を促進する。 - M&Aや株式市場等の環境の高度化
スタートアップの成長機会の拡大に向けて、スタートアップや大企業によるM&Aの活性化を推進するとともに、株式市場の高度化とセカンダリー市場の充実を図る。
ベンチャーキャピタル産業が我が国の新産業創出の牽引者となり、多様で持続可能なスタートアップエコシステムの実現に貢献すべく更なる向上を目指してまいります。 - グローバル展開の加速
日本から世界で通用するメガベンチャーを数多く創出するべく、海外のベンチャーキャピタル/機関投資家/事業会社/スタートアップ/人材とも戦略的に連携し、日本のスタートアップのグローバル展開を加速する。 - データの整備と活用
ベンチャーキャピタルやスタートアップが日本のGDP/雇用/所得に与える経済的インパクトを可視化することをはじめ、データ基盤を整備して政策や施策に活用する。
これからもJVCAの活動へのご支援、ご指導、ご協力のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。
一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会
会長 郷治 友孝
会長 田島 聡一
第24期体制
